解雇の法的ハードルが高い日本では、解雇によって離職をコントロールすることは困難です。 それゆえに組織のスリム化を図る企業の多くは、厳しい状態に陥った後に希望退職制度等を実施することになります。 ただ、希望退職制度は多額のコストがかかり、高評価者の流出や、残った社員の士気低下につながる恐れも高い。その意味ではリスクの高い施策といえます。
そこで浮上するのが「離職率マネジメント」という発想です。
離職率マネジメントとは、予め目標離職率を設定して、その達成と維持に向け、経営者、現場、人事が協力してマネジメントすることを指します。
つまり普段から適正な体重をキープすることで、極端で急激なダイエットによるリスクを減らそうというわけです。
離職率マネジメントは、社員がなかなか定着しない“痩せ過ぎ”体質の企業にも必要です。離職者が意図せず相次げば、表裏一体である採用にも影響が出ます。
離職率は大きすぎても小さすぎても、円滑な企業活動を妨げます。大切なのは、目標離職率の達成と維持に努め、つねに健康体を保つことです。
現在、企業の多くは、離職率をさまざまな人事施策の「結果値」として捉えています。
それゆえに離職率をコントロールする意図があっても、人事施策やその運用を経験や勘に頼って行わざるを得ません。
一方、離職率を「目標値」として捉えれば、そこから逆算して実施すべき施策を明確化できます。
例えば雇用契約や就業規則を離職に適したものに整えることはもちろん、
評価とフィードバックの仕組み、昇降格管理、滞留管理、雇用・就労形態管理を併せて工夫することも視野に入ってくるでしょう。
目標離職率の達成・維持が人事施策のベースとなって社内に浸透すれば、高評価者は定着、中低評価者は戦力化を目指し、低評価者は自ら辞めていく離職カルチャーも醸成されます。
その結果、無理なダイエットを必要としない筋肉質の組織が作り上げられるのです。
プロッソの「離職率マネジメント」は、お客様の現行制度や施策を最大限活用しながら調査・分析、トレーニング、フォローアップなどを通して、 目標離職率の達成・維持をお手伝いいたします。安易な解雇や希望退職制度に踏み込むことを避けるためにも、ぜひご活用ください。